
What is "Water trap", Ms. Yu-?
カップに水が貯まりますよ。お水捨てるとこですよね?(なんで英語?ツッコまないけど)


イエス!呼吸回路内の水はよろしくないのでカップに落としておくってことですが、まさに罠なんですよー!
・・・。

人工呼吸器のウォータートラップの注意点
ウォータートラップは、
リークと水の貯留に気を付けましょう。
人工呼吸器と患者さんをつなぐ管を呼吸回路といいます。
呼吸回路の中は、加湿したガスを肺に送るため、
状況により結露が生じ、水が貯まることがあります。
ウォータートラップは、
呼吸回路内に結露した水を貯めておくためのものです。
そして、
人工呼吸器の歴史の初期の頃から注意すべき呼吸回路の構成の1つです。
2009年1月には独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のPMDA医療安全情報、同年7月には日本医療機能評価機構の医療安全情報にも取り上げられ、医療事故の発生予防や再発防止のために注視されています。

リークと貯留は相反するようですが、1つずつ解説します。
カップの不完全な接続によるリーク

公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 医療安全情報 No.32 2009年7月, 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構のPMDA医療安全情報 No.7 2009年1月
カップに貯まった水を廃棄できるように、
カップは外れるようになっています。
水を捨てるためカップを外す間、
呼吸回路は開放状態となり、
人工呼吸器から送られるガスはリークし(漏れ)ます。
カップはツメをはめ込んで接続しますが、
このツメのはめ込みがズレてしまったり、
奥まではめ込まなかったりすると、
リークしたままの状態となります。
これにより、患者さんに十分な空気(ガス)が送られず、
低換気となって、
患者さんの呼吸状態の悪化を招きます。
カップを再接続するときは、完全に接続されているかどうかを確認することが大事ですね。

内蓋付ウォータートラップの皮肉
カップを外したときにリークさせないように、
ウォータートラップの内側に蓋が付いているタイプがあります。
カップが接続されているとき蓋は開き、
水を廃棄するため、カップの接続を外すと蓋が閉まります。
しかし商品によって、
カップを中途半端にはめ込むと、
カップは付いても蓋が開かないことがあります。
すると水が貯まってもカップに水が落ちず、
少量の水でも、
呼吸回路内に水が貯留することの弊害を招きます。
呼吸回路内に水が貯留すると、
閉塞、窒息、ミストリガー、低換気、加湿不足・・・
もう色々です。
やはりカップの不完全な接続は危険です。
ウォータートラップのカップの不完全な接続は、
患者さんの呼吸状態の悪化を招きます。

ウォータートラップ自体は悪いものではないですが、構成パーツが多いとその数だけ接続部位があって、意図せずに接続が外れるリスクがその数だけあるということになるので、総合的に判断して患者さんに合った呼吸回路を使用して、安全に人工呼吸器管理が出来ると良いですね。
【対策の1つ】熱線入りウォータートラップなし呼吸回路に変更

ウォータートラップによるリスクを無くすには、
ウォータートラップを構成から取り除くことです。
呼吸回路はたくさんの種類がありますが、
閉鎖式なのか開放式なのか、換気方式2パターンの分類と、
熱線入りなのか熱線なしなのか、材料による2パターンに分類できます。
つまり、大きく分けると4組です。
他にも水が蒸発する特性をもった材質で出来ているとか、
双方向にガスが流れるような仕組みになっているとか様々ありますが、
ざっくり大別すると4組です。
換気方式の、閉鎖式 or 開放式の違いは、
リークなし方式 or 意図的にリークさせる方式です。
一般的に、リークのある方が水が貯まりやすいと言われます。
熱線入り or 熱線なしかは、
呼吸回路に結露防止の熱線が巻いてあるか、巻いてないかです。
結露のポイントは温度差です。
冬場、寒くて部屋の暖房を入れると外気との温度差が大きくなり、
窓に水滴が生じることがあります。(最近の窓は優秀なのであまり見かけませんが笑)
これが結露という自然現象です。
呼吸回路内を気体である温かい水蒸気が流れます。
呼吸回路外から冷やされると、液体である水が生じます。
呼吸回路自体をあたためてあげれば、
呼吸回路内を流れる気体との温度差ができにくくなるので、
結露しにくくなります。
水が貯まらなければ、
ウォータートラップは必要ありません。
よって、
熱線入りで閉鎖式の呼吸回路が、
一番水が貯まりにくい呼吸回路の構成です。

ウォータートラップの有無によるメリットとデメリットを考慮して、適切な呼吸回路を選択したいですね。
まとめ

I appreciate your reading the article all the way through.