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人工呼吸器のトラブル!確認するたった1つのこと【アラーム対応】

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ユウ
ユウ

人工呼吸器のトラブル(アラーム)対応についてです。

呼吸器のアラーム苦手ですー。夜勤帯とか人数いない時に鳴ってほしくないです。なんとかしてください。

ゆー
ゆー
ユウ
ユウ

お疲れさまです(笑)。でも、アラームが鳴ったときや日常的に見るポイントが1つありますよ。

人工呼吸器のトラブル時にまず確認する1つの注意点

畢竟するに、
人工呼吸器のトラブル時にまず確認する1つの注意点は、

呼吸回路です。

参考文献:日本医療機能評価機構, 2009.1-12

データ自体は古いものになりますが、
人工呼吸器のトラブルで一番多く報告されているのは、
呼吸回路についてです。

内訳は、接続が外れてしまったり、接続する順番に誤りがあったり接続する部品が足りないなどが挙げられています。

私的な意見ですが、

私は現在勤めている病院で毎年度、人工呼吸器に関するインシデント報告の集計をさせていただいていますが、
上記の円グラフと割合は、ほとんど変わりません。

いま日本医療機能評価機構など公の機関が再度集計しても、人工呼吸器のトラブルで一番多い内容は、呼吸回路であり、ほぼ割合は変わらないと思います。

人工呼吸器のアラームが鳴るとき、
原因が呼吸回路によるもので、
「回路外れ」アラームなど、直接的である場合と、
例えば「分時換気量下限」アラームなど、間接的である場合があります。

やるべき事を2つ挙げます。

接続部をねじ込む

呼吸回路は、接続部が外れます。

人工呼吸器は生命維持装置の1つですので、呼吸回路が意図せずに外れてしまうと最悪の場合は死亡してしまいます。

ならば、製造技術が進歩した現代で、接続が外れないように作ってくれればいいじゃないか、という発想も浮かぶかもしれませんが、

一方で、

呼吸回路は、安全のために接続部が外れるように設計されています

気道内圧が上昇したときなど、高圧状態が解消されず患者さんに過度に送気すると肺破裂など直接的に人体に害を与えてしまうなど想定されます。

そのため安全に動作するように、ISO(国際標準化機構)規格により多くの要求事項や項目があり、厳しい基準が設けられており、呼吸回路の接続部は“テーパー状構造”になっています。

呼吸回路は、高圧状態など危険なとき外れるような構造になっていますので、
使用中に緩んできます。

意図せず、外れてしまうことがあります。

外れるものですが、いつ何時でも外れていいという意味ではありません。

呼吸回路の接続部が意図せずに外れてしまうと、
患者さんの呼吸のサポートが無くなります。

患者さんの状態や発見までの時間により、
障害の残存の程度が変わってきます。

呼吸回路の接続部が意図せず外れた場合、
およそ25%以上が一時的であっても患者さんに大きな影響を及ぼしたという報告があります。

2010年1月1日から2016年3月31日までに日本医療機能評価機構に報告された人工呼吸器の接続外れに関する医療事故情報の集計データです。

引用・抜粋:「人工呼吸器の回路の接続外れに関連した事例」医療事故情報収集等事業 第 45 回報告書, 公益財団法人 日本医療機能評価機構, 2016

また、在宅で人工呼吸器を使用している患者さんが定期検査時やレスパイトなど短期的に入院する際に、他施設や在宅で使用していた人工呼吸器が持ち込まれる場合があります。

その際に起きているヒヤリ・ハット事例で一番多いのも呼吸回路の接続外れであるという報告もあります。

2015年1月~2018年12月に日本医療機能評価機構に報告された医療事故情報の集計データです。

引用・抜粋:「他施設や在宅で使用していた医療機器等の持ち込みに関連した事例①」医療事故情報収集等事業 第 56 回報告書, 公益財団法人 日本医療機能評価機構, 2018

よって、
呼吸回路の接続部の外れに対して、
奥まで“ねじ込む”ことが大事です。

完全に接続部が外れてアラームが鳴ると、
人工呼吸器の表示画面に「回路外れ」などメッセージが出ますので、
そこで原因に気付かないことはない気がします。

なので、これは外れた後にアラームが鳴ったときの対処もですが、

看護、処置・ケアなどで接する際に、気を配りたいところですし、
日常的な点検の際に、手を抜かずに確実に行うべきことですね。

ユウ
ユウ

呼吸回路を交換した後にも、
交換して離れる前に、もう一度、
接続部をねじ込んで奥まで入れると良いと思います。

結露水を取り除く

呼吸回路内に結露した水は、です。

結露は温度差によって、温かい気体の水蒸気が冷やされると液体の水になる自然現象です。

結露した水が呼吸回路内にいつまでもあって良いことは1つもありません。

これについては、呼吸回路の販売メーカーで対策の努力を重ねてきた歴史があります。

熱線入りの呼吸回路など結露しにくいタイプの呼吸回路があります。
熱線が内側に巻いてあるか、外側に巻いてあるかなど色んな商品がありますので、結露が深刻である場合には、呼吸回路自体を替えてしまうのが1つの対応策です。

熱線に関しては、一般的には外巻き型の方が結露しにくいと言われています。
ただし、呼吸回路表面の温度が内巻き型と比べて高い傾向にあるという意見があるようですので、低温熱傷に気を配った呼吸回路の扱いなど必要となります。

また、加温加湿器の設定を検討するのも1つの手です。
他に打つ手がない場合は主治医に相談してみるのが良いと思います。

呼吸回路内に水が貯まると、人工呼吸器からの空気(ガス)が適切に送られません。

水の量や呼吸回路が屈曲しているなど状況次第で、
① 閉塞して、患者さんに全く空気(ガス)が送られなくなったり
② 障害となって、設定した想定分の空気(ガス)が送られなくなったり
③ 温度が下がって、患者さんに乾燥した空気(ガス)が送られてしまう

など、たくさんのリスクの要因となります。

よって、アラームが鳴ったときや、看護や処理・ケアなどの際に、
呼吸回路内に水が貯留していたら、速やかに取り除きましょう。

また、ここが重要ですが、

アラームが換気量に関する内容であっても、
実際に患者さんの換気量に変化があったとは限りません。
呼吸回路内の水の貯留によって誤って鳴る場合があります。

しかし、呼吸回路内の水の貯留によって送気が適切に行われずに、
その結果、実際に患者さんの換気量が下がるということもあります。

さらに、人工呼吸器の機種や設定次第では、
人工呼吸器のアラームは鳴らないこともあり得ます。
(結露水が貯留する前提で換気設定を行わないため。もちろん、正しい事です。)

なので、

もし呼吸回路に結露した水の影響の知識がないと、

「人工呼吸器のアラームは鳴らなかったが、患者さんのパラメータの1つSpO2の値は下がってアラームが鳴った。原因は不明。」

ということが起こり得てしまいます。

呼吸回路内に水が貯留していたら、速やかに取り除きましょう。

[注意]Ⅰ型呼吸不全で人工呼吸器を極力外す時間を作りたくない(常にPEEP圧が必要な)場合も大いにあります。その場合、人工鼻を使用したり呼吸回路の変更、または人工呼吸器の設定の変更も視野に入れることもあるので、水の除去のためだけに個人の判断で呼吸回路を何度でも外すことは推奨しません。吸引を閉鎖式で行っている場合は特に注意。

ユウ
ユウ

”トラブル”となる前に日常的に、呼吸回路の接続部をねじ込む習慣をつけることや結露の対策を行うことが大事ですね。

まとめ

人工呼吸器のトラブル・アラーム対応時にまず、呼吸回路を確認する
呼吸回路の接続部は緩み・意図せず外れることがあるので、奥までねじ込む
呼吸回路内の結露した水の貯留は、閉塞や低換気を招くので、速やかに対処する。

I appreciate your reading the article all the way through.

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