総務省より、スマホやタブレット端末など電波を発する機器が医療機器に及ぼす影響について検証を行いました。
これを受けるかたちで、厚生労働省が令和元年11月22日付でスマートフォンなど携帯電話端末と人工呼吸器等の推奨離隔距離を添付文書に記載するよう通知が出されました。

スマホの電波が在宅用の人工呼吸器にどんな影響を与えるのか、具体的にどのくらいの距離を離せばいいのか、解説させて頂きます。
スマホと人工呼吸器の推奨離隔距離
約1m程度 離しましょう。
しかし、
神経質なまでに距離を気にするほどではないと思います。
理由は、調査報告された誤動作の事例は、機械が壊れてしまったというものではなく、電波を患者さん自身の呼吸であると勘違いして誤って検知してしまった(自発呼吸をミストリガーした)という内容だからです。
また、調査方法は最大レベルで厳しい条件で行われています。
(発信側)スマホは電波発射強度をMAXにして、
(受信側)人工呼吸器はセンサ感度をMAXにして、
MAXにスマホと人工呼吸器を近づけて検証しています。
かなり実験的な環境で行ったもので、病院等で安全が脅かされたような事例からの警鐘ではありません。
主な在宅用人工呼吸器の添付文書に記載された数値

表にまとめてみましたー。
携帯電話端末の規格は、日本国内で流通している最大出力0.25Wを想定しています。
コヴィディエンの人工呼吸器PB-560, HT-70においては、海外で使用される可能性のある携帯電話端末の最大出力1Wの想定で算出した数値になります。
よって、こちらの2機種においても最大出力0.25Wの携帯電話端末であれば、推奨離隔距離は1.15mと算出されます。
メーカー | 機種名 | 推奨離隔距離[m] |
---|---|---|
フィリップス | トリロジーシリーズ | 1.15 |
フィリップス | BiPAP A40システム シルバーシリーズ | 0.35 |
フィリップス | BiPAP Auto System One 60シリーズ | 1.15 |
フィリップス | ドリームステーション BiPAP Auto | 0.3 |
コヴィディエン | Puritan Bennet 560 | 2.3 |
コヴィディエン | ニューポートHT70 | 2.3 |
レスメド | クリーンエアASTRAL | 0.3 |
レスメド | クリーンエアprismaVENT | 0.3 |
チェスト | Vivi50 | 1(程度以内) |
チェスト | Vivo45 | 0.3(程度以内) |
IMI | Monnal T50 | 1(程度以内) |
まとめ

もし心配だったら、かかりつけの医療機関や人工呼吸器の業者に相談しましょう。
I appreciate your reading the article all the way through.