書籍紹介

たいていの悩み、実はあるある【ライフハック】

ライフハック1

そもそもビジネス本って、お悩み解決だ。著者の個人的な主張であることもあるけれど、ある分野における現段階までの解答である。これまでの先人たちの成果の上にありがたく私たちは立っている。

この本は誰もが一度は考える悩みをまとめて、哲学者たちの解答をわかりやすく書かれている。読みやすくて面白かった。

全部面白かったけれど、一つ挙げると「人生がつらい」という悩み。マルティン・ハイデガーが答えている。ハイデガーはドイツの哲学者で、存在論哲学を展開した人。あまり詳しくはない笑

ハイデガーの答えは

「ひとは死を本気で決意したときこそ、根源的な時間である人生の残り時間を生きはじめるのです」

「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」, 小林昌平, 2018

最期の覚悟をもって、何事にも体当たりぶつかってみる。どうせ死ぬのならとひらきなおって、やれるだけのことをやってみよう。ってことですね。

死を身近に感じて生きてきた人って、たしかに大成しているイメージだ。例えば、X JAPANのYOSHIKIさん。幼少の頃、父親の突然の死を経験された。自ら命を絶ったということだった。彼のドキュメンタリー本の中で印象的だったフレーズに「死への憧れ」がある。そして音楽の中にもその世界観が広がった曲があったりする。死とは何か、父はどう思っていたのか。

ビジネス界隈ではホリエモンこと、堀江貴文さん。インタビューなどで死についての質問をすると怒って帰ってしまうと聞いたことがある。本当に死ぬことが怖いとのことだ。これは少し意味合いが違いのかもしれないけれど、死について本気で向き合った過去があるからではないかと勝手に予測している。これらは本に書いてはいないのだけれど、何人か思い浮かぶ人がいる。

死ぬことは誰にも訪れるが、しかし誰にも乗り越えられないという現実がある。日常的にそれを意識することはあまりないけれど、今この瞬間もずっと迫り続けていることを自覚した人に、のみ、ほんとうの人生がひらかれるのだという。

私は病院で働いていながらも、たくさんの患者さんの命の際に携わらせていながらも、なかなか自分の死については、どうにもイメージがわかないというか、やっぱりもっとずっと先のこととしか実感なく、本気で生きているかを問われたら、どうだろう。まだやれることはたくさんある気がする。

今日もユウブログに来ていただき、ありがとうございます。
ほんとうの人生がひらかれるのはこれからという、自分への期待を持てた一冊。

  • この記事を書いた人

ユウ

人工呼吸管理が好きな臨床工学技士(ME; CE)。十数年の職務経験で、民間病院から県立、国立病院機構の急性期から慢性期医療に従事。東日本大震災の衝撃から一念発起し、米国呼吸療法士プログラムの受けるべく留学するも資金繰りに失敗して途中帰国。でも求めた知識より一緒に過ごしたグローバルかつ多職種の友達が何よりの誇り。趣味は写真。マイブームは禅。医療・健康など少しでも役に立つ発信を心掛けます。よろしくお願いいたします。

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