臨床工学技士 医療機器管理

医療機器管理システム発見までの道のり①【Finally found the CEIA system】

Finally found the CEIA system 1

※毎週水曜日更新としておりますが、今週は更新が遅れましたことお詫び申し上げます。

ここ一週間の私の日記である。

探偵業をしている。のだろうか笑。ついに見つけた。最初は望みが薄かった。バーコードのテプラが貼ってある医療機器がいくつかあったので、きっとシステムが入っていると思ってはいたが、それらしい端末は見当たらなかった。

事務管理課や看護部の医療機器系を担当する方々を中心に聞き込みをした。

「過去にあったかもしれないが現在はそのようなシステムはない。」
「バーコードを読み込んで貸し借りをするみたいな研修はあった気がする。」
「そんな話は聞いたことがない。」

意見は色々であったが、システムを導入した過去があるならば最近ではなく、年単位で随分以前のことだろう。いくつかの機器と何人か職員の記憶に若干の痕跡が残っている。調査を続ける価値はあると踏んだ。

機器管理のことばかりを考えてはいられない。早々に人工呼吸器の新規導入の対応があったり、急変対応、加湿器や呼吸回路の変更、コンフォートジェルブルーフルフェイスマスクの製造中止に際して新たなマスクの検討や医師と看護師とマスクフィッティングを行ったりと臨床業務も並行して仕事をしている。

その過程でもちろん電子カルテを利用する。振り返れば、この電子カルテが医療機器システム発見に至る糸口だった気がする。

電子カルテは聞いたことのないメーカーのものだった。大手は富士通だろう。NECも提供していたと思う。大手でなくても不自由なく使えれば個人的にはこだわりはないし、詳しくもないので不満はないが、未だに使い慣れないのは事実だ。

使い方をレクチャーしてくれたITに知見のある職員に聞いてみた。なぜこの名の知れないメーカーの電子カルテを使うことになったのか。その経緯を知っていたら教えてほしいと。

詳細は語れないのだが、販売は日本光電らしい。電子カルテのメーカーは日本光電の子会社にあたるらしい。医療機器の購入に日本光電製のものを買うときに、電子カルテもおそらく日本光電を利用したのだろう。

医療機器管理システムは、言わば機械版の電子カルテである。医療機器個々のカルテを電子媒体で管理するというシステムだ。電子カルテを購入するときに、医療機器管理システムも購入したかもしれない、と私は発想した。

ベッドサイドモニターなど日本光電製の医療機器がそこそこの数あったので、医療機器管理システムを販売している会社はたくさんあるが、導入したことがあるなら、おそらくCEIAではないかと予想した。

CEIAは日本光電が販売している医療機器管理システムで、メーカーはアルカディアという会社だ。システム単体で購入するというより、日本光電の医療機器と相乗りする形で購入されるケースが多い印象だ。

同じように販売されたりするのがフクダ電子のMARISだが、フクダ製の医療機器は一つも見当たらなかった。私が現在所属する職場は、これまで臨床工学技士がいなかった。臨床工学技士がいないところで医療機器管理システムを単体で購入するケースは稀だ。

そんな思考を巡らせながら、医療機器を保管してある部屋の整理をしていた。少々散らかっているその器材室には床に置かれた段ボールがたくさんあり、その一箱には医療機器に関するカタログや様々な記録やらがたくさんあった。

それらを別室の書類棚に何気なく入れていると、一冊の青いファイルに目が留まった。これまで細い細いアリアドネの糸を辿っていたのだろう。ようやく暗闇を抜けられそうだと予感する光が見えた。

そのファイルの表紙には「CEIA 取扱説明書」と書かれていた。

しかし、それはまだ、発見に至るまでのほんの兆しでしかなかった。

今日もユウブログに来ていただき、ありがとうございます。
続編は明日公開!まさかの二本立て笑

  • この記事を書いた人

ユウ

人工呼吸管理が好きな臨床工学技士(ME; CE)。十数年の職務経験で、民間病院から県立、国立病院機構の急性期から慢性期医療に従事。東日本大震災の衝撃から一念発起し、米国呼吸療法士プログラムの受けるべく留学するも資金繰りに失敗して途中帰国。でも求めた知識より一緒に過ごしたグローバルかつ多職種の友達が何よりの誇り。趣味は写真。マイブームはNFT。医療・健康など少しでも役に立つ発信を心掛けます。よろしくお願いいたします。

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