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トリロジーリコールについての補足【回収情報】

リコール自体は普通

こんにちは。ユウ(@yu_ClinicalEng)です。

この記事では、トリロジーリコール(回収)について私見として補足します。

2023年2月8日に発出された人工呼吸器トリロジーシリーズの回収の内容は
一昨年のリコールに対してのリコールになります。

悪さをしているかもしれない内部部品を別の素材に変えて対策したのですが、今度はその部品が中で外れてしまう恐れがあるというもの。

以前の内容は、吸っている空気が発がん性があるのでは、という事象だったもので、

今回の内容は、現象が起きた場合に圧力が生み出せないかもしれません、呼吸のサポートができなくなるかもしれません、それはいつ起きてもおかしくありません、というもの。

どちらが深刻かは各個人や医療機関によって見解は異なると思います。

ここで補足ですが、どんな機種も大抵はリコールを経験します。

今年度だけでも、PB-560やVivo45LS, Monnal T60, BiPAP A40の回収情報が出ています。
院内専用器においても、PB-980, サーボAirが出ています。

今は安定を誇っているアストラルも、発売されてから5年くらいは頻繫に回収情報が上がっていました
臨床工学技士界隈では、アストラルの印象が大きく分かれる所以だと思います。

そういった、ある意味、回収自体はふつうに挙がるものであるという背景があります。
なので、内容が大事であって、かつその回収に対してのメーカーの対応がどういったものなのかが重要です。

ソフトウェアのアップデートで済むのか、ハードウェアにおける対策が必要なのか、すでに問題は解決しているのか、まだにしても向こう何カ月、何年を見越しているのか。

まぁ、そうはいっても、使っている機種やメーカーが好きだからという感情も理解できますし、応援し続けることで持ち返すことはゼロではないので、私の施設でも引き続きフィリップスの機械は使う予定です。割合は大きく変化しますが笑

トリロジーEvoにおいても、細かいアップデートを頻回に行って安定しているかは意見が分かれるところで、個人的には急いで変えないといけないほどに性能に期待していなかったのですが、私見では今回のトリロジーのリコールは見過ごせないものだったため、すべて切り替えることとしています。もちろん、私は臨床工学技士ですので、すべて医師の指示のもとです。

誤解していただきたくないのは、リコールが出たからといって、必ず他の機種へ変更しないといけないわけではない、ということです。

ですが、変化を嫌って、変更すること自体が出来ない状況や姿勢でいることはリスクがあると思います。

未来のことは誰にも分からないですし、誰もが間違いもする生き物ですから、適宜情報を得て、試したりする中で、随時アップデートして、安心して暮らせていければハッピーだと思います。

今日もユウブログにお越しいただき、ありがとうございます。
最近は医工連携に興味がある。ずっと前から興味あった気もしてきたけど笑

  • この記事を書いた人

ユウ

人工呼吸管理が好きな臨床工学技士(ME; CE)。十数年の職務経験で、民間病院から県立、国立病院機構の急性期から慢性期医療に従事。東日本大震災の衝撃から一念発起し、米国呼吸療法士プログラムの受けるべく留学するも資金繰りに失敗して途中帰国。でも求めた知識より一緒に過ごしたグローバルかつ多職種の友達が何よりの誇り。趣味は写真。マイブームは禅。医療・健康など少しでも役に立つ発信を心掛けます。よろしくお願いいたします。

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