臨床工学技士 エッセイ

締切までの成果物が実力【研修会の攻略】

エッセイの呼吸124

先日、新入職員向けの研修で医療機器の取り扱いについて講義を行った。90分の時間を頂いていたが、長くて1時間が聞く側の集中が持つ時間ではないかと感じた。

やる前から懸念していたことではある。なので人工呼吸器だけで60分を使い、その他を駆け足で説明することにした。その点をどう思われたか、人それぞれだが、講義の初めにそのことは伝えはした。

プレゼンをするなら、文字は少なく、1つのスライドにメッセージは1つにするのが鉄則だ。しかし、今回は後からでも見返せるように資料は基本的に読めばわかるようなデザインにした。

講義ではスライドを棒読みするのではなく、スベルこと必死の笑いを小出しのして、記憶には残してもらえるように努めた。ボケがつまらなくてもいい。ぶざけている印象は極力与えないように心がけて、退屈を紛らわそうとしていることぐらいには伝わってくれると嬉しい。芸人ではないのだから爆笑は求められていないはず。

そして、最も重要だと伝えたいところでは動画も用意した。これは私が研修を行う際には必ずと言っていいほどにずっと以前から行っていることだ。動きがあった方が口で説明するよりイメージつきやすいことがある。しっかり準備をするということであるし、ライブ感が出て、当日出席した甲斐があったと思ってもらえるかもしれない。満足度に繫がる。

結局、誰かの話を聞いた後に心に残るのは、その相手の話の内容より、楽しかったとか退屈だったかという感情だ。

だから、内容よりも伝え方が重要だ。精密で確かな情報を細かに言うよりも、丁寧に伝えようという本気の気持ち、の方が比重が高い。もちろん内容はテキトーでいいということではない。

情報の羅列をされても頭に入ってことないので、ケーススタディーのような例を挙げたり、実験の動画を流してみるのもいい。ストーリーを持たせる方が聞きやすい。

各スライドにストーリーを持たせるのは難しい。なので、一連の流れで繋がりを持たせるように努めた。かつ、最初からガッツリ説明するのではなく、どんな話をするのかをまず話し、本題に入っても最初のスライドは歴史的なまさにストーリーを伝えることにした。

話し方では、大事だと伝えたい部分はゆっっくり、通常は少し速めにしてみた。かつ、めっちゃ重要ポイントは、そのフレーズを言う前に数秒沈黙を作ってみた。我ながら上手くいった方だと思っている。

臨床工学技士1年目から講義はしてきたが、今回が1番出来が良かった。最初は7分くらいの発表でも全然出来なくて苦手意識しかなかったけど、当たり前かもしれないが、やり続けると何でも少しは上手くなるものだ。自画自賛笑

今回は改めて一番気づいたことは、聞きたいことを話すということだ。やっぱり、改めて話す場を与えられると、わかってはいても話したい話をしてしまいがちだ。それもあってもいいけれど、ほんの少しにして情熱だけ伝われて十分だ。

企画書をもらったときに、提案者の気持ちをしっかり聞いてそれにしっかりフィットすることが先決だ。その枠の中で私がやるからにはコレだけは伝えたいポイントを1つだけ混ぜる。濃すぎなければ、そのスパイスが隠し味となってとっても美味しくなる。

私は、今回大分とマーケットインを意識してプロダクトアウトを抑えたつもりだったが、まだまだ未熟でスパイスを入れすぎたかもしれないと次回の改善点にしたいと考えている。

濃い目の味が好きな人には良かったかもしれないが、対象者が新卒者向けだったのでちょっと濃かった気がする。司会進行していただいた教育研修担当の人は、けっこう手応えがあったように見えた。なので、きっと次回も依頼していただけるのだと思っている。私しかいないし笑

今日もユウブログに来ていただき、ありがとうございます。
もっと笑顔になりたい、だから走り続ける。

  • この記事を書いた人

ユウ

人工呼吸管理が好きな臨床工学技士(ME; CE)。十数年の職務経験で、民間病院から県立、国立病院機構の急性期から慢性期医療に従事。東日本大震災の衝撃から一念発起し、米国呼吸療法士プログラムの受けるべく留学するも資金繰りに失敗して途中帰国。でも求めた知識より一緒に過ごしたグローバルかつ多職種の友達が何よりの誇り。趣味は写真。マイブームは禅。医療・健康など少しでも役に立つ発信を心掛けます。よろしくお願いいたします。

-臨床工学技士, エッセイ