人工呼吸器 エッセイ

新機種の人工呼吸器をどう導入するか【不安問題】

エッセイの呼120

新しいものや新しいことすべてが良いとは思っていない。変化は誰にとってもストレスにもなる。賛辞であってもストレスになる。適度なストレスはいいが強いと負担がかかる。わかる。

変わりたくないという気持ち、不安に対してどう向き合えばいいか。まず何に不安を抱いているのか知ることだ。それが見えても不安はゼロにならないかもしれない。それでも、何もしなかったらいつの間にか不安だったことを忘れてしまい、いつか変化そのものが不安になってしまう。そうすると、良い変化だと本人が気付いていても変わりたいと願っていても変われなくなってしまう。

変化してしまったら、なんやかんやで慣れるものだ。慣れて冷静になって、変化させたことに後悔するようならば、戻せばいい。何でもそのように上手くいくことばかりじゃないけれど、やらずに満足するよりやって後悔する方がいい。

悩み、問題解決はまず向き合う。現状把握をする。その対処は間違えてもいい。間違いだなんてわからないことの方が多い。正しいと激しく主張しても伝わらないし、仮に間違いでも穏やかに伝えれば人は耳を貸すものだと思う。納得感が大事だ。

機種変更をする予定の人工呼吸器使用者さんがいる。いろいろといろんな人の意見が錯行して延期が続いている。でも来週には必ず変更する。変更しても、しばらくベッドサイドに現在使用している呼吸器を置いておこうと考えている。

通常変更する場合もしばらく置いておくものだ。しかし、今回は「みんな」の不安が拭えるまで置いておくつもりだ。何ヶ月でも置いておいてみせる笑

日常生活においても不安が何かわからないと余分に在庫をかかえたり、過剰に保険に入ったり、余計なお金がかかったりするものだ。悪いこととは思わないが、不安はお金がかかるということを忘れておきたくない。

しっかり準備すれば不安を軽減する。不安の正体を暴き、解決すれば、変化はできる。そもそもずっと居心地の良い場所なんてない。時間が止まらないように物事は常に変化している。寝返りをうつように、その瞬間瞬間で居心地の良さも変わるはずだ。

人工呼吸器は友達ではない。患者さんの生命維持管理装置なんだ。不安があるならせめて正直にわからないことを訴えるべきだ。当日スタッフの人数を理由にしていいのだろうか。結局、人任せにならないか?予め準備した日を何か延期してしまうのは、じゃあいつならいいのか。

所変わればルールや風土が変わるようで。

今日もユウブログに来ていただき、ありがとうございます。
最近カバンを持って出勤するのを止めました。

  • この記事を書いた人

ユウ

人工呼吸管理が好きな臨床工学技士(ME; CE)。十数年の職務経験で、民間病院から県立、国立病院機構の急性期から慢性期医療に従事。東日本大震災の衝撃から一念発起し、米国呼吸療法士プログラムの受けるべく留学するも資金繰りに失敗して途中帰国。でも求めた知識より一緒に過ごしたグローバルかつ多職種の友達が何よりの誇り。趣味は写真。マイブームはNFT。医療・健康など少しでも役に立つ発信を心掛けます。よろしくお願いいたします。

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