冒頭から、ひまわり畑だ。非常に印象的に映し出されている。色んな様にも解釈できる。タイトルに間違いないなぁと思った。
戦地に行かなければいけない。自分たちの意思に反して大勢の男たちが列車に乗る。ホームで見送る女たち。駅にたくさんの人たちが集まるシーンがある。離れ離れになってしまう。
戦争を機に引き裂かれた男女。月日が経って、主役の男女がお互いにそれぞれの地に会いに行く。もう別の生活がある。
ラストシーンは駅で女が男を見送る。そこにはストライキによって職員さえいない。他に誰もいない。今度は自分たちの意思で別れを選ぶ。言葉なく、切な気な眼差しで、見つめ合う。
ざっくりまとめるとこんな感じだが、男女の会話や仕草にユーモアがあって笑えてしまうシーンがあれば、ロシアの雪道を歩く戦争の過酷さが感じられるシーンもある。人種を意識したやり取りがあったり、ひまわり畑など自然を映したシーンもある。
色んな要素が過不足なく詰め込まれていて、対比があったり、脚本や構成も秀逸だなぁと感じた。もちろん、役者さん方も素敵な演技だった。主役のお二人だけでなく、ロシア人女性マーシャ役のリュドミラ・サベーリエワさんにも引き込まれた。
やはり、人種とか関係なくみんながみんな悪いわけではない。マーシャは凍死寸前のアントニオを助けた。ロシア人がイタリア兵を救ったということだ。現在のロシア・ウクライナ情勢においても、それぞれで不本意な思いをしている人はたくさんいる。
言葉なく、ひまわりを見て泣けてきたのは初めてだ。
繰り返す春夏秋冬の中でいろんなストーリーがあった。彩りの日々もたくさんあったが、モノクロに塗り替えられた時期もあった。おそらく善い時もそうでないときも必要な季節であって、必ず咲いて必ず散るんだ。
紫の花が懐かしい。今では道端に咲くその花が特別に見える。今はもうない白い地に足を運んで潮風に髪が傷んだこともあった。赤い紋章を巡るため高すぎる雲に向かって遠出した。貴方は私を黄色と言って私を驚かせた。そんな折々の一年が終わるとき、新しい生活が始まる。
今日もユウブログに来ていただき、ありがとうございます。
私は、人を、簡単に諦めたくない。