FNNプライムオンライン「ALS患者の人工呼吸器を停止させ殺害した疑い 95歳の入所者を書類送検 大阪・高石市の高齢者施設で」という記事を読んだ。
人工呼吸器が意図せず電源が落ちてしまった可能性については、警察からメーカーに調査依頼が入る。
人為的な操作があった場合はその履歴が残る。機械のエラーにより電源異常があった場合は、そのエラーメッセージが履歴に残る。機械側の動作履歴も使用者側の操作履歴も機械に記録される。それでもあくまで機械なので、予想外の動き方をする可能性はゼロではないが、機械の状態や履歴から予想できることは少なくない。
もし殺意をもった行為を事故であるように装うなら、ヒューマンエラーが原因であるように偽装した方が思惑通りにいきやすいと思う。
呼吸回路の接続外れのインシデントで、一番多く報告される箇所はカニューレとカテーテルマウント間、NIVの場合はマスクとお顔だ。
呼吸回路が外れれば、ふつうはアラームを設定しているのでアラームが鳴る。アラームを鳴らさないようにするにはテスト肺につなぐ。吸引の後につなぐのを忘れたというヒューマンエラーを装う。ただ、基本的に吸引時にはテスト肺につながないようにしている施設の方が多いと思われる。
その点に注意すれば、、、といった発想が、医療安全管理の向上につながるのです。笑
ただ、報道によると書類送検された人は認知症のようだ。その場合の対策も必要だということだ。明確な殺意なく電源を人為的に切ってしまう可能性がある環境においての対策だ。
機械は電源が切れてしまうとアラームは鳴らない。電源を切ったときにアラームを鳴らす機種はある。必要な手順を踏まないと電源が切れなかったり、確認のメッセージが出る機種もある。概ね、換気中はボタン1つで切れることはない。
操作が複雑になってできないのも問題だが、簡単過ぎるのも問題だ。いい塩梅というには人によって違う。だからこそ、他の業界ではパーソナライズされるユーザーインターフェースの良いツールが好まれるのだろう。
人工呼吸器もAI技術がより進めば、換気条件だけでなく操作性も自動でパーソナライズされる日が来るかもしれない。
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臨床工学技士の未来の仕事はAIのメンテナンスか?