エッセイ

「優勝は目指さない」【新庄節】

エッセイの呼吸11

新庄剛志さんが日本ハムファイターズの新監督になった。

会見を見たが、素晴らしかった。今この瞬間を生きている感じがした。

本当に監督になりたかったんだなと伝わってきた。なるためにやるべき事やマインドを実践してきたと思うし、実力以外のカリスマ性といわれるような人望と表現するような、彼には「何か」パワーを感じる。

「優勝は目指しません。一つ一つ地味な練習を重ねてシーズンを迎えて、何気ない一試合を勝って勝って、気づいたら優勝争いの試合に臨んでいる」勝ち負けにこだわらないと言っているわけではなくて、最初からは目指さないということと、甘くはないという謙虚さといった言葉のニュアンスだった。

目標は口に出すから叶えざるをえない自分を追い込んで突き進む、ということも言われて私もその通りだと思う。スポーツや仕事にも言えるが、目指すべき分かりやすい目標を掲げて、叶おうが叶いまいが何かしら学ぶものや収穫がある。副産物かもしれないが実はそちらの方が価値があったり、言葉に表しにくいが本質的なものだったりする。

優勝を目指さないことは、あえて真っ直ぐ本質に向かうことでもある。かつ、非常に実際的なことも意味している。勝負の行方も大事だが、集客や売上、つまりは経済効果が上がれば問題ないし、球団の存続意義はそこに尽きると思う。実に夢がない話かもしれない。ただ優勝するとその効果も期待できるから普通は目指すということだ。新庄ファイターズは、勝ちへの執着とは別のところでも勝負をする。だから面白そうだから見たい、興味がある。ファンじゃなくても注目したい。

優勝を目指さないと先に宣言することで、外部からの批判も受けにくい。それは選手を守ることにもつながり、それぞれの役割に集中することもできると思う。それがゆくゆくは結果につながる。実力は大事だが、本番で発揮できなければ結果は出にくい。メンタルのコントロールは実力を安定的に出すうえで非常に重要だ。

私も一般的に建前では向かうべきとされる方向に「そこを目指さなくていいよ」と言ってくれる人と一緒に仕事をしてみたいと思った。

いずれにしても、非常識な言動で結果を残してきた新庄剛志さんに今後も目が離せない。ご本人は「監督」ではなく「ビッグボス」と呼んでほしいらしい。うん、やはり新庄ファイターズは面白くなりそうだ。

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野球にハマったことはないけど、サッカーより観るの好きかもです。

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