フローアナライザーとは、人工呼吸器を点検するための機器だ。換気量や圧力、流量などを測ることができる。正常に動作するか、各項目が基準値であるか実測値を測定する。臨床工学技士の商売道具の1つだ。
人工呼吸器にも実測値は表示される。しかし、機器本体が故障していれば、もちろん正常に表示されることはなく、機器本体が正常であっても機種の特性や個体差によって表示通りであるとは限らない。動作状態を確認する上で、本当の実測値を測ることが望まれる。
「本当の」というのは、人工呼吸器の実測値は一部計算も含まれる。計算値ですと言い切ってしまうとメーカーさんに怒られるし、完全ではないので、実測値ではないわけではなく、信頼できない数値でもない。
例えば、脇の下に挟んで測るタイプの体温計も同様だ。実際に温度を測っているのだから実測値だ。しかし、数分後にピピッと鳴って見て表示された温度まで測っているわけではない。温度を測って、その上昇率を計算して出した予測値である。本当に本当に、表示された数字の体温かはわからない。でも、当てにならないとは誰も思っていないと思う。
そこで、じゃあ実際に実測値を測る必要があるのかが問われる。人工呼吸器においては、実測値を測れるフローアナライザーが臨床現場で必要なのか。メーカーが行う範疇ではないのか。それはケースバイケースで、病院や施設によるところだろう。
安全にはお金がかかる。お金をかけないで安全性を高める方法はたくさんあるだろうが、お金をかけて買える安全もある。医療安全と資金の相関関係のエビデンスもあり、お金をかけた方が安全性が向上することは知られている。なので、どこまでの安全を担保するかを選択するフェーズである。
臨床工学技士の知名度はまだまだ低い。資格名だけは知られるようになってきているが、実際のところ何をする職業なのかはあまり知られていない。それは、職場によって多様であるからが理由の1つに挙げられる。
臨床工学技士は、大学病院のような病床数が多く、多科の診療をしている病院を除き、多くは医師のように専門の診療科にわかれているわけではない。あれもこれもやる何でも屋さんになりがちでもある。
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