カフアシストは、排痰です。


あ! 答え先に言ったぁー。笑
カフアシストMIEとは?
「排痰補助装置」として広く使われています。
(Mechanical Insufflation-. Exsufflation: MI-E:機械による咳介助)
原理は、
最初に陽圧を送った後、急速に陰圧にシフトさせます。
具体的には、40cmH2Oほどの圧力を1~2秒くらい加えて、
0.1秒くらいでプラスからマイナスに切り替えます。
つまりは、
咳を機械的に模擬しています。
自力で痰を出すのが難しい人に、
上気道にある痰の排出を促します。
具体的な“自力で痰を出すのが難しい人”の指標は、
PCF(Peak Cough Flow)という、
咳の最大呼気流量の値が低下している人になります。
通常はPCF: 360~960L/minくらいです。
カフアシストを日常的に使用する目安は
PCF<160といわれています。
カフアシストMIEの使い方
機械の使い方は、
いくつかのメーカーが販売していますが、
圧力値や圧力を加える時間を予め設定しておくので、
基本的に電源を入れたら、
あとはボタン1つ押すだけということが多いです。
現在の主流の機械は手動でも動かすことができますが、
自動で動作するように設定しておく方が一般的です。
(そのように医師の指示で設定していると思います。)
機械の操作自体は非常に簡単です。
あとは、痰を出したい人に、
マスクを当てるか、
気管切開しているならカテーテルマウントなどを接続して、
機械の液晶表示画面を見ながら、
陽圧のタイミングで「吸ってー!」
陰圧のタイミングで「吐いてー!」
と声かけをします。
陰圧のあとに“休止時間”が設定されていたら、
「吐いてー!」のあとに「きゅーけー!」も。
介助者がもう1人いらっしゃるなら、
徒手で咳を介助しましょう。
(徒手介助のやり方はPT: 理学療法士さんに教えていただきましょう。)
痰を出したい人が初めての場合には、
いきなり口には当てずに、
胸や手の甲などで圧力を体感してから行うと良いと思います。
カフアシストMIEの注意事項
① 使用上の注意 → 1サイクル5回まで
② 絶対的な禁忌疾患 → 呼吸器系の既往
③ 相対的な禁忌症状 → SpO2を見ながら
① 1サイクル(吸って吐いて)を5回まで
過呼吸になってしまうリスクがあるので、
5回やって痰が取れなくても、一度休憩を挟みましょう。
② 絶対的な禁忌
〔ブラのある肺気腫、気胸や縦隔気腫、人工呼吸による肺障害〕
肺が硬くなっていたり、破れやすくなっているような既往がある場合には、
原則、カフアシスト使えません。
医師に相談しましょう。
③ 相対的な禁忌
不整脈や心不全症状がある場合には、
パルスオキシメータを指につけながら、
SpO2の値を確認しつつ行います。
また、小児や新生児には、
肺が未発達なため、SpO2の値が低下しやすいです。
(肺胞が縮んでしまいやすい。)
SpO2の値が低下するようなら、
中断、または中止します。
カフアシストMIEの副作用
カフアシストMIEの作用は、排痰です。
副作用は国内や欧米の文献でも、
とくに報告はありません。
使用上の注意や禁忌疾患を守れば、
導入する際は不安な人もいるかもしれませんが、
少なくとも得られる効果の方が大きいはずです。
また、効果についてはエビデンスが多く出されています。
[日本]
神経筋疾患・脊椎損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン, 日本リハビリテーション医学会, 金原出版, 2014
・神経筋疾患、脊椎損傷の排痰に有用である。
[米国]
Clinical Practice Guideline: Effectiveness of Nonpharmacologic Airway Clearance Therapies in Hospitalized Patients, 米国呼吸療法学会AARC, 2013
・神経筋疾患、特にNPPV患者は機械による咳介助(MI-E)は強い推奨。

カフアシストMIEは導入するハードルが低いですね。
肺炎・無気肺の予防としても有用(リハビリ)

カフアシストMIEは、排痰補助装置として使用されますが、
無気肺の予防としても有用であるとされています。
痰を排出したいときだけでなく、
ルーティンで行い、
リハビリ目的でも使用されます。
エビデンスはまだまだ少なく、
適切な圧力設定などは示されていません。
しかし、業界では著名な医師の石川悠加先生は、
「MACを用いた排痰介助・咳介助」にて下記を述べています。

機械の仕組み自体はシンプルなものなので、患者さんと相談しながら個々に合わせて使ってゆけると思いますね。
まとめ

I appreciate your reading the article all the way through.