NIV(NPPV)のマスクについての話。フィッティングを制するということだが、書籍によっては適切に装着すれば創傷予防のドレッシング材などはいらないと書かれているものがある。急性期におけるウィーニングの過程では必要ないだろうと思う。知識の共有とトレーニングの積み上げでその場のチームの底上げで良好なNIVができると思う。
しかし、装着時間が長くなり、フィッティング状態を観察する時間が必然的に短くなると、なかなかそうもいかない。工夫も必要になる。その点、ICUと在宅でのNPPVはやり方も異なってくる。もちろん使用する意義が異なるからではあるが、ここでは論じないでおく。
そもそも急性期と慢性期ではマスクのファースト選択が異なる。急性期ではトータルフェースマスクが使われると少し前の参考書に書いてあったりするが、抜管後の再導入時など細かくサイズを選んでいる時間がなかったりする場面で使われることはある。しかし、実際にはフルフェイスが主流であろう。
フルフェイスマスクは鼻と口を覆う。鼻だけ、または口だけを覆うマスクはあるが、フルフェイスマスクならば鼻呼吸であっても口呼吸であっても、どちらもカバーしているので呼吸の補助ができる。そして取り外しがトータルフェースマスクより楽なので吸引がしやすい。サイズは人工呼吸の使用の可能性が予測できるならば事前にスケールで調べておくことで解決する。本当に緊急のときには見た目で少し大きめのサイズを選べばよい。その後、挿管する方向に移ることも大いにあるので、悩んでためらう必要はない。
マスクの素材はまずジェルタイプでよい。というか、コンフォートジェルブルーでよい。サイズがSからXLまであり、ノンベントタイプもあるので状況に応じて適宜変えやすい。わりとリークはコントロールしやすい。ただ重いのが難点なので長期になると鼻根部を傷つけてしまうかもしれないので、評価をしながらだ。
リークのコントロールで頭に入れておきたいのが、リークが多いためヘッドギア(バンド)を締めるのはいいが、締め過ぎるとリークが増えるということだ。リークはゼロにすることが目的ではないということ。一定の換気量がとれているのならば許容することが大事だ。アラームが鳴ってしまうほどならば、明らかなリーク箇所があるかもしれないのでその点を対処する。MGチューブを流す方向を調整するとか、ジェルタイプは硬いのでシリコン性のダブルクッションタイプのものとか他の種類のマスクに変更することも検討する。
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②に続く。