臨床工学技士 レポート エッセイ

第47回日本重症心身障害学会学術集会の感想【学会参加】

第47回日本重症心身障害学会学術集会の感想

今年度3つ目の学会現地参加だ。毎年このぐらい参加できたらいいなと思う。今回行った重心学会はこれまで参加したことのない毛色の違う学会だったが、予想通りに色合いが違った雰囲気だった。

疾患としては一番関係のある内容だが、臨床工学技士による発表はなく、職種的な興味をそそられる演題はなかった。それは知っていたので予想通りで、だからこそ来年以降やってみようと考えたのだが、なんとなく臨床工学技士が見当たらない理由がわかった気がする。

基本的に、機械があまり歓迎されていない気がした。もちろん、私も基本姿勢は機械に依存しない治療や生活であるべきだと考えている。でも、企業ブースは少なく、演題も全体としてはエモーショナルな内容が目立ったと思う。

集団は混ざると成長する。異なる色としてメカニカルでシステマティックが入っても面白いと私は思うから、間違いではないけれど、他にも学会を探そうと思った。行って良かったと思う最大点は、さらに学会発表と論文執筆に前向きな姿勢になったことだ。翌日、図書館に行って関連本を借りてきた。

演題で興味深かったのは、リハビリテーション関連だ。CTで貯留痰の位置を見て、それをもとに体位を決めるというものや専用の腹臥位装置を作ったり、姿勢による呼吸ケアの発表が個人的には面白かった。

振り返れば、OT, PTさんの発表を一度も聴いたことがなかったように思う。治療のアプローチとしては基本なのだけれど、専門の技術として研究の話は新鮮だった。前の職場ではOT, PTさんと関わりがそこそこあったのに、今の職場ではほぼない。

前の職場では毎年、特別支援学校に勤務する看護師さん向けの講習をPTさんと行う機会があった。徒手介助とMIEの実習を一緒にやっていた。また、上司が同じ医師だったこともあり、コロナ前は忘年会を合同で行っていたことも距離が近かった理由の一つか。全員の名前を知っていた。

職場によって毛色が違う。これまで自分が行う臨床工学技士業務も違っていたからかもしれない。新卒で入った病院では、リハビリ職の方々とはほぼ関わりなかったが、診療放射線技士さんとは心カテで一緒に仕事をしていたので距離は近かった。

今の職場は、検査課と放射線課は監査準備で話したこともあり、名前は知っていて距離は縮まった感はある。でも、ひとり臨床工学技士である以上、距離が近いのは各所属長だったり、事務の契約係や医事課とよく話す。

冷静になると、臨床工学技士として臨床現場に出る業務より、どうしても医療機器安全管理責任者としての機器管理や研修開催、管理職的なデスクワークが比重として多くなる。自分がやらなければならない仕事が優先される。

「今までどうしてきたの?」とか思ってしまう甘えにも聞こえる依頼や、ただ物を運ぶだけの仕事はほぼやらないことにしている。その結果か、院内PHSの件数は減り、能動的に仕事ができるようになってはきたが、気づけば臨床的な仕事をあまりしていないので、看護師さんやOT, PTさんの関わりは少なく、名前を全然知らない。

学会でPTさんの発表を聴きながら、そんな反省をした。

何事もバランスが大事だ。もう少し計画的に多職種連携していきたい。呼吸ケアの評価でPTさんともっとコミュニケーションが取れていいと思う。それには、自分自身のスキルをもっとアップしないといけないので、やはり、勉強の継続と研究活動も並行して行い、好循環をもって螺旋階段を上っていけたらと思う。

今日もユウブログに来ていただき、ありがとうございます。
他の職種と共同研究するのも面白そう。

  • この記事を書いた人

ユウ

人工呼吸管理が好きな臨床工学技士(ME; CE)。十数年の職務経験で、民間病院から県立、国立病院機構の急性期から慢性期医療に従事。東日本大震災の衝撃から一念発起し、米国呼吸療法士プログラムの受けるべく留学するも資金繰りに失敗して途中帰国。でも求めた知識より一緒に過ごしたグローバルかつ多職種の友達が何よりの誇り。趣味は写真。マイブームはNFT。医療・健康など少しでも役に立つ発信を心掛けます。よろしくお願いいたします。

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